対談メッセージ Vol.3 吉田大樹さん

 登壇される吉田さんと対談させていただきました。

 

藤原万梨子(以下、藤):吉田さんは、シングルファーザーで、三人のお子さんの子育てとジャーナリストとして、今ではパパ支援のお仕事と一人三役をこなしてきて、子育てでご体験されたことを簡単に教えてください。

 

吉田大樹さん(以下、吉):子どもが三人いると三者三様でこれといった正解はないと実感しました。自分のこだわりを捨てることから始まったような気がします。三人とも母乳で育ちましたが、長男は1歳4カ月で保育園に入れた途端に、風邪をひきまくり、結果として鉄欠乏症性と診断されました。自分自身は子どもの頃、よく体調を崩していたので、それをミルク育児のせいにしていましたが、その出来事で母乳神話は崩壊。結局は1つのこだわりよりもバランスが大事ということ。ひとり親となってからは、怒涛の日々で三人のことを細かくはケアできないので、いい意味で放任主義になりました。親のこだわりを押し付けることなく、自分たちで考える習慣を作ってあげる事だと思います。

 

藤:その中で最も大きな気づきは何でしょうか?

 

吉:一番に、子どもの意思を尊重するということです。子ども達が一生懸命選択をしたら、まずはそれを応援してあげる事。失敗するかもしれませんが、それも大きな経験です。子どもの失敗を許してあげることはとっても大切。もし失敗をしたら、次にどうすればいいのかを共に考えればいいんです。子どもの失敗が許せるようになれば、子育てに対する親のプレッシャーも解放されます。また、子どもが失敗するということは、親自身も失敗する可能性があることを認めることにも繋がります。親も完ぺきではないという姿を子どもに見せることも大事だと思います。

 

藤:失敗を許してあげること、親も完ぺきではないという姿を子どもに見せられたら親も肩の力が抜けて楽に子育てできるようになりますね。子どもも親の失敗から学ぶことができますし、「失敗してもいいんだ」と思えると子どもは失敗を恐れず、またチャレンジする勇気が出てきますよね。では吉田さんのご経験を通して、現在の活動へ、また将来へどのように繋がっていきますか?

 

吉:子ども達だけに様々な体験をさせるのではなく、親自身も一緒に体験したいという思いから、グリーンパパプロジェクトでは父子旅行を提案しています。もちろん家族旅行でもいいのですが、それだと結局ママに頼ってしまう。一度ママから切り離したところで、パパと子どもでいろんな体験をする。父子の関係がもっと深まれば、パパの子育てに対する自信がつき、ママをもっと楽にすることができます。

 

藤:今回の川﨑パパママ子育てフェスにいらっしゃる方へメッセージをお願いします。

 

吉:子育てに正解はありません。どこかに自分の子育ての正解が載っているわけでもありません。夫婦が共に理解し合いながら、自分たち自身で考えて子育てできる事が大事だと思います。このイベントに参加することで、その「ヒント」が得られるのではないかと思います。

 

吉田大樹さんのご登壇は、

11:00~11:45 パパのための子育ての秘訣を伝授

11:45~12:15 吉田大樹✖ビリギャルママ橘こころ✖ユール洋子 子育て対談

 

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以下、吉田大樹(よしだ ひろき)氏

労働・子育てジャーナリスト/NPO法人グリーンパパプロジェクト代表理事・吉田大樹のブログ(パパの働き方が社会を変える!)より転記

 

2003年4月~12年6月「労働安全衛生広報」「労働基準広報」(労働調査会発行)記者。

労働関係の専門誌記者として、ワーク・ライフ・バランスや産業保健(過重労働・メンタルヘルスなど)の問題を精力的に取材。働き方や生き方の変革を訴える。

2012年7月~ ファザーリング・ジャパン代表理事(~14年6月)

 

これまでの主な公職(現職含む)

・内閣府「子ども・子育て会議」委員

・東京都「子ども・子育て会議」委員

・内閣府「地域少子化対策重点推進交付金」審査員

・鴻巣市男女共同参画審議会委員

 

埼玉県鴻巣市在住。

 3児(03年長男、06年長女、08年次男)